山頭火

先日、東京で山頭火というラーメン屋にいってきました。
私は山頭火のファンです。カップラーメンでもよく食べてしまいます。
なぜ山頭火のファンなのか、紹介させて頂きます。
*山頭火を知らない方はネット見てみて下さい。そのほうが話が伝わりやすいので。
私が21歳の6月、北海道を一人旅しました。
約3週間、車で北海道一周。毎日車内泊。学生だからこその旅でした。
北海道旭川市はラーメンが有名な街。
旭川駅前にあった、山頭火の本店(?)に私は立ち寄りました。
席はカウンターのみ、10席程度。
入店したのは確か17時頃。誰もお客はおらず、私一人。
カウンターに座ってすぐ、男性の店員さん(おじさん)に声かけられました。
「お兄さん、この店、しおラーメンしかないんだよ。
すぐ近くに山頭火の大きなお店があって、そっちいけば
沢山メニューあるから、もしよかったらそっち行ってみて。」
変なこと言う人だなーと思いながらも、私は答えました。
「私、滋賀から旅行で来たんです。雑誌見てここ来ました。
しおラーメン食べたかったので、大丈夫です。しおラーメンお願いします。」
仕方ねーなーっと言った雰囲気で、静かにラーメンを作り始めるおじさん。
ラーメンが完成して、私が食べ始めた時、おじさんが語り出しました。
「実はね、おれ山頭火のオーナーなんだよ。
最近はね、お店が大きくなりすぎてさ。正直おもしろくないんだ、おれは。
この店はね、おれが山頭火を始めた、最初の店なんだ。
近くに大きな店作った時、一度閉めたんだけど、
なんかまた1人でのんびりやりたくなってさ。
こうやってお客さんと近くで話しながらラーメン作るのが好きなんだ。
遠くからわざわざ食べにきてくれてありがとう。」
そんな話されたら、ラーメンがめちゃくちゃ美味しく感じられるわけです。
「ほんと美味しいね!!梅干しがいいね!!」とか、
ラーメン詳しくもないくせに、私も語りだしてしまうわけです。
誰もお客がいなかったおかげで、ラーメンを二杯(追加してしまった・・・)
食べながら、オーナーさんと些細もない話をしたことは、一生涯の思い出です。
今の時代、「モノ」ではなく「コト」を売れ!とか「体験」を売れ!とか言われています。
私もよく「ヌボーはお花を売っているのではなく、お花のある心豊かな生活空間を提供している」
と話ていますが、私はこの山頭火のような体験を、お花で提供したいわけです。
当時も今も、私の人生に大きな影響を与えているこの出来事は、
きっと神様がくれた、最高のプレゼントだったのだと、思えてなりません。